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検証

国内11社の基幹業務システムは生成AIと繋がるか ── 14製品を公式一覧で照合する

国内で会計または給与・人事・勤怠の業務システムを提供する11社の14製品を、Claude・Microsoft 365 Copilot・Gemini Enterprise の公式コネクタ一覧と照合したところ、掲載を確認できた製品は0件、その製品を対象としたAPI仕様書または開発者向けドキュメントのURLを公式サイトで確認できた製品は3件でした。「導入すれば社内の情報が繋がる」という前提のまま予算と工期を組める根拠は、この範囲では出てきません。

最終確認
2026-08-13(Claudeの一覧は 2026-08-12 取得)
対象
国内11社の14製品(会計/給与・人事・勤怠)
照合先
Claude/M365 Copilot/Gemini Enterprise の公式一覧
確認範囲
公式一覧への掲載と仕様書URLの有無。接続可否は判定していない
未確認
ChatGPT(HTTP 403 のため一覧を取得できず)
更新周期
四半期ごと

「繋がる前提」で予算と工期を組んでよいか

設定だけで繋がることを示す材料は、今回照合した範囲では出てきませんでした。確認できたのは公式一覧への掲載と仕様書URLの有無までで、接続そのものの可否は判定していません。

11対象ベンダー
14対象製品
0公式一覧に掲載を確認
3API仕様書URLを確認

この0件は公式一覧への掲載の有無であり、接続の可否ではない。照合はローマ字表記の検索語で行っており、日本語表記での照合はしていない。ChatGPTの14セルは未確認(help.openai.com が HTTP 403)。

ここで確認したのは2つです。1つは、各サービスが公開しているコネクタ一覧に製品名の掲載があるかどうか。もう1つは、各製品の公式サイトにAPI仕様書または開発者向けドキュメントのURLがあるかどうかです。この2つは別の話で、後者が確認できれば、一覧への掲載とは別の経路で接続する余地があります。

検討時の前提
生成AIを導入すれば、社内の会計データや人事データを読ませて使える。
照合結果
14製品を3サービスの公式一覧と照合し、掲載を確認できたものは0件。その製品を対象としたAPI仕様書または開発者向けドキュメントのURLを公式サイトで確認できたものは14製品中3件。残る11製品は、公式サイトを辿った範囲では該当するURLの記載を確認できませんでした。

どの範囲を調べたか

国内で会計または給与・人事・勤怠の業務システムを提供している11社と、その14製品です。

対象としたベンダーは次の11社です。オービック、富士通、マネーフォワード、弥生、ラクス、freee(フリー)、NEC、OBC、OSK(大塚商会)、PCA(ピー・シー・エー)、SmartHR。製品は次の14件です。

社名・製品名とも五十音順、アルファベット表記のものはその後にアルファベット順です。並び順に評価の意味はありません。

この11社が、国内の業務システム全体を表すわけではありません。ここに挙げていないベンダーや製品は調べていません。同じベンダーの他の製品も、上の14件に入っていなければ調べていません(たとえば freee会計、マネーフォワード クラウド会計は対象に含めていません)。以下の結果は、この14製品について確認できたことに限られます。

公式コネクタ一覧に掲載を確認できた製品はいくつか

Claude・Microsoft 365 Copilot・Gemini Enterprise の3サービス×14製品、42通りを照合し、掲載を確認できたものは0件でした。

3サービスは一覧の作り方も掲載の粒度も異なるため、同じ表にはしていません。それぞれ何を照合したかを分けて示します。

Claude
claude.com/connectors に掲載されている405件(2026年8月12日時点)が母集団です。
M365 Copilot
Microsoft Learn の Connectors gallery。Microsoft-built と Partner-built の2ページが母集団です。ページ本文には「Microsoft and partner organizations provide more than 100 prebuilt connectors」と記載されています。この2ページの外に掲載があるかどうかは確認していません。
Gemini Enterprise
Connect your Google apps and third-party data(Business Edition ヘルプ)の Available connectors 表。Google 提供5件、サードパーティ25件が掲載されています。ページの Last updated は2026年6月18日です。
検索語
3サービスとも同じ語で照合しました。obc/bugyo/kanjo/kyuyo/fujitsu/glovia/osk/smile/yayoi/obic/rakus/rakuraku/nec/explanner/pca/freee/moneyforward/money forward/mf/smarthr。いずれもローマ字表記で、「奉行」「弥生」「楽楽」などの日本語表記では照合していません。これ以外の表記やブランド名で一覧に掲載されている場合、この方法では見つかりません。

Gemini Enterprise のサードパーティ25件の内訳は、Apollo Graph OS、Asana、Atlassian Confluence Cloud、Atlassian Jira Cloud、Box、Clinical Trials、Crypto、Docusign、Dropbox、Excalidraw、GitHub、Godaddy、Granted、Hugging Face、HubSpot、Kiwi、Linear、Mermaid Chart、Microsoft(Learn/OneDrive/Outlook/SharePoint/Teams)、Monday、Notion、PandaDoc、Slack、Trivago、Zendesk です。今回の14製品は、この表の中に見当たりませんでした。

API仕様書のURLを公開している製品はいくつか

14製品中3件です。PCA 給与・人事管理、freee人事労務、SmartHR。

ここでの判定は「API連携機能があるかどうか」ではなく、「公式サイトにAPI仕様書または開発者向けドキュメントのURLがあるかどうか」です。この2つは分けて扱っています。

判定は製品単位です。同じベンダーが別の製品や別の対象についてドキュメントを公開していても、その製品を対象としたドキュメントを確認できなければ「記載を確認できず」としています。

「公開」は、そのURLが公開ページ上にあることを指します。仕様書の中身をすぐ読めるという意味ではありません。3件のうちPCAは、URLの先が無償の登録ページで、仕様書の入手は登録後です。入手までに何が要るかは、次の表の右端に記載しています。

製品ドキュメント認証利用の条件として記載されていること
PCA 給与・人事管理(hyperを含む)PCAクラウド Web-API方式名の記載は確認できず「PCAクラウド Web-API無償公開サイト」への登録(無償)。ログイン後にスターターガイド・サンプル・仕様書を入手できると記載。登録フォームに利用規約への同意と、仕様書を確認したい製品名の申告あり
freee人事労務人事労務APIリファレンスOAuth 2.0アプリケーションの作成が前提。公開アプリには審査があると記載。プラン条件の記載は確認できず
SmartHRAPI ドキュメントアクセストークン(発行は管理者に限ると記載)リクエスト制限あり(回数はドキュメントに記載)。Sandbox環境の案内あり

残る11製品で確認できたこと

11製品は「公式サイトを辿った範囲ではAPI仕様書・開発者向けドキュメントのURLを確認できず」です。ただし、確認の過程で分かったことに差があります。

OBC
勘定奉行および給与奉行・人事奉行・就業奉行。製品ページにAPI連携の機能説明があり、外部サービスとの連携カタログ「奉行APIコネクトサービス」も公開されています。Connect Partner制度の特典として、開発者ポータル、APIリファレンスとサンプルコード(C#)、開発者向けサポート、デモ用・開発用の2テナントが挙げられています。制度は奉行シリーズの販売の如何を問わず利用でき、IT・ソフトウェア会社でなくとも垣根は原則ないと記載されています。開発者ポータルとAPIリファレンス自体のURLは、公開ページ上では確認できませんでした。
OSK(大塚商会)
SMILEシリーズ。SMILE V / eValue V API連携開発パートナー制度の支援内容として、各APIの技術情報の提供、開発・検証環境の提供、最新のAPIや仕様書等の改定情報の提供、APIの仕様についての問い合わせ窓口が挙げられています。制度紹介ページにはAPI連携の適用例(経費精算から SMILE V 会計への仕訳、勤怠から SMILE V 人事給与)が記載されています。個別の受託開発案件は制度の対象外と明記されています。
ラクス
楽楽精算。機能ページに「ご利用には『楽楽コネクタオプション』『API連携オプション』のお申し込みが必須となります」「通常、API連携するためにはお客様にてプログラムをご用意いただく必要がございます」と記載されています。API仕様に関する案内は契約者向けサポートサイトのオプション欄に置かれており、公開サイト側で仕様書のURLは確認できませんでした。
富士通
GLOVIA 会計および人事給与。製品個別ページはいずれも 統合ページへリダイレクトされました。同ページ本文に「コンポーザブル連携」の記載はありますが、「API」という語および仕様書へのリンクを確認できませんでした。製品カタログはフォーム入力が必要なため取得していません。
オービック
OBIC7。sitemap.xml に掲載された137ページの範囲で、APIに言及していたのは1ページでした。内容は信用調査機関(TDB/TSR 等)のCSVデータ連携(API連携可)という機能表記です。sitemap.xml が全ページを網羅している保証はありません。
NEC
EXPLANNER/Z。配下のページでAPIに言及していたのは お知らせページの「他社の優れたSaaS(中略)と、API等の技術を用いてシームレスに連携する機能を大幅に拡大します」という記述でした。別製品 EXPLANNER/Ax 向けには「EXPLANNER LINK」というクラウド型システム連携サービスのページがあり、「連携仕様を規定しているため、マニュアルに沿った設定のみで連携」と記載されています。
マネーフォワード
マネーフォワードクラウド給与・勤怠。開発者向けドキュメントは公開されており、認証はOAuth 2.0による認可とAPIキーの2方式、アプリポータルでのアプリ登録と権限設定が必要と記載されています。ただし、そこで確認できたAPIリファレンスの対象は「マネーフォワード クラウドの認可サーバー API」で、クラウド給与およびクラウド勤怠を対象としたAPIリファレンスは確認できませんでした。サポートサイトの「開発者の方」欄に掲載されていたのは、クラウド請求書APIとクラウド経費APIです。なお biz.moneyforward.com の payroll-api/attendance-api のページは、クラウド給与・クラウド勤怠と連携する他社サービスの一覧であり、API仕様書ではありません。
弥生
弥生会計および弥生給与。www.yayoi-kk.co.jp/company/api/ は「銀行法等に基づく金融機関との契約内容」(電子決済等代行業者としての公表事項)のページで、開発者向けドキュメントではありませんでした。サポートサイトには「KING OF TIMEとのAPI連携設定」「勤怠データのインポート(API連携)」(弥生給与 Next)という操作手順ページがありますが、これは他社サービスのAPIを利用した取り込み手順です。同社の別製品 Misoca については、サポートFAQに外部から利用可能なAPIがある旨とドキュメントの案内があります(対象は Misoca です)。

OBCとOSKは、仕様書をパートナー制度の加入者に提供すると自社サイトに明記しています。この2社の「確認できず」は、公開ページ上に仕様書のURLがあるかどうかについての結果です。

API仕様書のURLを確認できた3件と、確認できなかった11件との間に、企業規模・創業年・クラウドでの提供形態などの関係があるかどうかは判定していません。

14製品それぞれはどうなっているか

API仕様の公開と、公式一覧への掲載を製品ごとに確認できます。

製品提供API仕様の公開公式一覧への掲載
勘定奉行(クラウドを含む)OBC記載を確認できず(パートナー制度で提供と記載)掲載を確認できず
給与奉行/人事奉行/就業奉行(クラウドを含む)OBC記載を確認できず(パートナー制度で提供と記載)掲載を確認できず
マネーフォワードクラウド給与/勤怠マネーフォワード記載を確認できず(開発者サイトはあるが、確認できたのは認可サーバーAPIのリファレンス)掲載を確認できず
弥生会計(オンラインを含む)弥生記載を確認できず掲載を確認できず
弥生給与弥生記載を確認できず掲載を確認できず
楽楽精算ラクス記載を確認できず(オプション申込が必須と記載)掲載を確認できず
EXPLANNER/ZNEC記載を確認できず掲載を確認できず
freee人事労務フリー公開掲載を確認できず
GLOVIA iZ 人事給与/smart 人事給与/きらら 人事給与富士通記載を確認できず掲載を確認できず
GLOVIA SUMMIT/iZ 会計/smart 会計/きらら 会計富士通記載を確認できず掲載を確認できず
OBIC7オービック記載を確認できず掲載を確認できず
PCA 給与・人事管理(hyperを含む)ピー・シー・エー公開掲載を確認できず
SmartHRSmartHR公開掲載を確認できず
SMILEシリーズ(V/BS/Air)OSK(大塚商会)記載を確認できず(パートナー制度で提供と記載)掲載を確認できず

「一覧に掲載を確認できず」は「繋がらない」という意味か

別の話です。確認したのは各サービスの公式一覧に製品名の掲載があるかどうかで、接続の可否は判定していません。

読み違え
公式コネクタの一覧に載っていないのだから、この製品は生成AIと接続できない。
今回の結果
一覧への掲載は、ベンダー同士が事前に用意した接続口があるかどうかを表します。API仕様が公開されていれば、カスタムコネクタやMCPサーバーを自前で用意して接続する経路が別にあります。今回、その経路の可否は判定していません。

掲載の有無が効いてくるのは、工数と担当者です。一覧に掲載があれば、管理者の設定作業で接続できる場合があります。掲載を確認できなかった場合に何が必要になるかは、製品ごとに異なります。今回の範囲では、OBCとOSKが仕様書をパートナー制度の加入者に提供すると記載し、NECは別製品向けに「マニュアルに沿った設定」での連携サービスを案内しています。どの経路が使えるかは、今回の確認範囲の外です。

API仕様書のURLを確認できた3製品にも、条件が付いています。登録が必要(PCA)、アプリ作成と公開時の審査が必要(freee)、アクセストークンの発行が管理者に限られリクエスト制限がある(SmartHR)。いずれも、利用開始の前に手続きが記載されています。手続きにかかる期間は確認していません。

ChatGPTについて何が確認できていないか

公式コネクタ一覧が存在するかどうかを、一次情報で確認できていません。14製品×ChatGPTの14セルが未確認のまま残っています。

試したURL
help.openai.com/en/articles/11487775-connectors-in-chatgpt、chatgpt.com/connectors、openai.com/chatgpt/apps、help.openai.com/
結果
いずれも HTTP 403。本文を取得できませんでした。
確認日
2026年8月13日
扱い
「公式一覧なし」とは判定していません。取得できなかったことだけを記録しています。

照合できたセルは、14製品×4サービスの56セルのうち42セルです。ブラウザで直接開けば読める可能性があります。ChatGPTを前提に検討している場合は、この記事の結果ではなく、その一覧をご自身で確認してください。

この記事で確認していないことは何か

公開されている情報が対象です。実機での接続は試していません。

コネクタの一覧も各社のAPI公開状況も更新されます。この記事は四半期ごとに確認し直し、変わった点を差分として追記します。最終確認日は冒頭に記載しています。記載に誤りがある場合、また確認してほしい製品がある場合はお問い合わせからご連絡ください。

この記事は何を出典にしているか

  1. Anthropic|Claude Connectors
  2. Microsoft Learn|Microsoft 365 Copilot connectors gallery
  3. Google|Connect your Google apps and third-party data(Gemini Enterprise – Business Edition Help)
  4. OpenAI|Connectors in ChatGPT(HTTP 403・未取得)
  5. ピー・シー・エー|PCAクラウド Web-API
  6. freee|人事労務APIリファレンス
  7. マネーフォワード|開発者向けドキュメント
  8. SmartHR|API ドキュメント
  9. OBC|Connect Partner制度
  10. OSK|SMILE V / eValue V API連携開発パートナー制度
  11. ラクス|楽楽精算 外部連携
  12. 富士通|Co-Evolution Architecture GLOVIA
  13. オービック|与信管理
  14. NEC|EXPLANNER お知らせ
  15. 弥生|銀行法等に基づく金融機関との契約内容
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